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Shige's Photo Diaryに登場する曲を中心に音楽についての四方山話を綴ります


by shigepianoman2

日本の英語教育

今日は長いですよ(笑)

日本の英語教育について書くなんてことを書いてしまったので・・・書きます(笑)。ちなみに、僕は帰国子女でもありませんし、英語の先生でもありません。バリバリの理系です。

・はじめに

日本人は英語が下手だとよく言われますが、もちろんその最大の原因は言語構造自体の違いでしょう。基本的にはドイツ語もフランス語も英語と似通った部分があり、欧米の人が日本人よりも容易に話せるようになることは想像に難くありません。同じレベルを達成するのに、日本人の方が多くの時間を費やす必要があります。

ただ、それだけではないでしょう。日本の英語教育の問題も大きいと思われます。鎖国が解けた明治以降、西欧の知識を取り入れることで発展してきた日本では、勉強・研究というと海外の文献を紐解き、自分のものとするということを中心に行われてきました。そのためか、「学校の英語」ではコミュニケーションツールを学ぶというよりは、英語を日本語に訳す練習をすることが主体になってしまいました。まるで漢文を日本語にするように、英単語を日本語に置き換え文法を用いて並べ替えるようなことが行われてきました。

また学校の先生にも大きな問題がありました(今もそうである可能性はありますが・・・)。多くの先生が英語を話せないのに英語を教えていました。僕自身の経験ですが、海外からお客さんが学校を訪問した時に隠れてしまった先生がいました(笑)。先生は生徒が高校・大学に進学するための受験英語だけを教えていればよかったのでしょうね。でも、英語が話せない教師に免許を与えてはいけません。ただ、息子に聞いてみると今の先生の中には結構ちゃんとしている人も多いようです(後述)。

・不自然な疑問文

思い出してみると、英語の授業では文法だけを無理やり教え込むため、ありえない不自然な英語を教える場面が多々ありました。↓は僕の通っていた中学で実際にあった話です。 

<次の英文を疑問文にしなさい>   
I speak English.

僕なら解答はこうするでしょう。  
Do you speak English?
でも正解はDo I speak English?

「私って英語話す?」・・・そんなの知るかって、しかも英語話してるし(爆)。もとの文章が疑問文に対する答えになるようにしたいところですが、Doをつけて語順を変えることを憶えさせるためにこんな問題ができてしまったようです。どんな状況でこのような疑問文を使うのでしょうか。もちろん、ないとはいえませんが・・。この問題、僕は授業でそれはおかしいと主張して怒られてしまいました。

さてここで皆さんに問題(ちょっといじわるな問題です)。

<次の英文を疑問文にしなさい>
You have my word.

答えは・・・Do I have your word?
なんのこっちゃ。じゃ、Do you have my word?はどうでしょう・・・やっぱり、なんのこっちゃ。

You have my wordはよく使われる表現ですが、「僕の言葉を信用していいよ」とか「約束するよ」という意味。英語で別の表現をするなら・・・
I promise to do what I said I would do.

そんなわけで、前後の状況にもよりますがこの文が答えになる疑問文を書く問題と解釈して、僕の答えは・・・
Do you promise?とかCan I trust you?とかでしょうね。

・イコール or ノット・イコール

次の問題はみなさんどう解答しますか?

<カッコ内を埋めなさい>
I must go home. = I (    ) (    ) go home.
He will come. = He (    ) (    ) (    ) come.

学校ではこう教えるでしょうね。
I must go home = I have to go home.
He will come = He is going to come.

でもmustとhave toは同じでしょうか?willとbe going toは同じでしょうか?

僕の感じではmustは自分の意志が強いように思います。それに対しhave toはやむをえない事情からそうしなければいけないというニュアンスがあるように思います。be going toはもう予定として決まっているように感じます。willは、言い方(省略形にするかどうかも含めて)や状況によって変わりますが、意志が感じられる場合や、ただ単純に今推測して言ったと感じられる場合などがあります。

・some は「肯定文」で、any は「否定文・疑問文」?

たとえば、ある家庭を訪問した時に、テーブルに果物がいろいろと置いてあったとします。その果物があまりにおいしそうだったのでじっと見ていると、家の主がこう聞きました。

Do you want some? (どうぞ、お手をのばしください)

僕の中ではsomeはある程度範囲が限られているもの、anyはずっと選択の幅のある不確定なものに使用することになっていて、二つの言葉には差があるんですが・・・でもsomeは肯定文で使用し、anyは否定文・疑問文に使用するといっている学校があるようです。僕の中学でもそうでした。これは完全な間違いです。

・なんでもfine、なんでもthank you

How are you?

今はどうなのかわかりませんが、かつて日本中の学校で「はうあーゆー」「あいむふぁいんさんきゅーあんどゆー」なんて唱和していた時代がありました(笑)。でも、アメリカで働いている時にあるアメリカ人にこう言われました。「お前以外の日本人はどうしてI'm fineとしか答えないんだ。日本人はみんなfineなのか?」。朝夫婦喧嘩してきたら全然fineじゃないし、前の日にデートに成功していたらGreat!ですよね。もちろん、状況によって、形式だけで適当に答えることはアメリカ人にもよくありましたが、そんな時は感情をこめずにfineと答えてました。みんながfine、考えてみれば異様なことですね。

エレベーターに乗っていた時のこと、ドアが閉まりかけたところで遠くからダッシュしてきた同僚が・・・気付いて急いでOpenのボタンを押し、彼はエレベーターに乗ることができました。その時、彼は息を切らしながら・・・

You are excellent. (おまえはすばらしい)

さて、みなさんならどう答えますか?その時僕は・・・

Yes, sometimes I am. (そう、時々ね)

彼は僕の顔をまじまじと見て、「おまえは日本人だけどThank youって言わないのか?でもおまえのが正しい英語だ」

他にもいろいろありますが、この辺にしておきましょう。

さてさてうちの息子は・・・

これらの質問を息子(中三)にしてみたら・・・willとbe going toの違いやmustとhave toの違いなどしっかりわかってました。someとanyも何言ってんのって感じでキョトンとしてましたよ。中学校の先生が教えてくれたようです。今の中学ではちゃんと教えているようですね。ちょっと安心しました(笑)。
by shigepianoman2 | 2009-05-19 22:51 | その他