'Round Midnight
2010年 01月 21日
ラウンド・ミッドナイト(紙ジャケット仕様)
ハンク・ジョーンズ / ヴィレッジ・レコード
もう1月21日になってしまいましたが、やっとアップです。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年Slightly out of Tuneをよろしくお願いいたします。
先日(もうかなり前)、いつものバーで飲んでいると、マスターが「これ聴いてみてください」と、一枚のアルバムを取り出しました。一曲目は僕の好きなMy Romance。一音目が鳴った瞬間からすっと引き込まれます。でも、無理やり引っ張られる感じはありません。なんともいえない枯れた味わいで、お酒とぶつかることもなく、飲む手をとめることもなく、自然に音が流れていきます。そのアルバムが今日ご紹介するHank Jonesの’Round Midnightです。
Hank Jonesはグレート・ジャズ・トリオでいくつか聴いたことがありましたが、最近はあまり聴いてませんでした。いつのアルバムかなとジャケットを見ていると・・・えっ、2004年。ってことは86歳の時の録音なんですね。そういえば最近、去年あたりだったかな、来日していますから、90歳を超えてなお現役。すばらしいことですね。
CDはスタンダード集となっていますが、1000のスタンダードナンバーを演奏でき、多くのジャズミュージシャンと何千曲も共演してきた職人芸は健在で、さすがに指のもつれを感じるところもないわけではないですが、実に巧みに音を操ります。決して饒舌になりすぎず、淡々とした演奏を聴かせてくれます。それなりに集中して演奏しているのでしょうが、聴いている者に緊張を与えません。彼の演奏を聴いていると、なぜ彼がこんな歳になっても演奏が続けられるのか、わかるような気がします。
ぜひ聴いてみてください。お茶を飲みながらでも、酒をのみながらでもいいでしょう。さらりと聞き流しながら、ふと気がつくとじっと耳を傾けている自分に気付くにちがいありません。
YouTubeから、1994年(76歳)のWillow weep for meです。
by shigepianoman2
| 2010-01-21 19:19
| Jazz